
春は植物の息吹が感じられる、気持ちのいい季節。冬のあいだ、寒さから身を守るためにじっとしていた植物たちが暖かくなると一斉に生き生きとする姿は、なんとも美しいものです。
そんな春になるとにわかに元気になって生えてくる身近な植物のなかには、意外と食べられるものもあるのをご存じでしょうか?
わたしは、春になると庭先や空き地に生えてくる植物を採って、それを料理するのを毎年楽しみにしています。
今回の記事では、わたしが毎年一度は食べたいと思っている、カラスノエンドウを使った簡単パスタを紹介します。
この記事のもくじ
カラスノエンドウってどんな植物?
カラスノエンドウ(学名:Vicia sativa subsp. nigra)は、春になると道ばたや空き地、畑の隅などでよく見かけるマメ科の野草です。別名「ヤハズエンドウ」とも呼ばれ、細長いツルをのばしながら小さな紫色の花を咲かせます。
「カラスノエンドウ」は、食用のサヤエンドウに似ているものの、より小さく、野生的な印象があることから、「カラスの」=「野生の・粗野な」という意味で名付けられたとされています。
原産はヨーロッパや西アジアで、古代ローマの時代から家畜の飼料や緑肥、さらには食用としても利用されてきました。
日本には明治以前にすでに導入され、農耕地の肥料作物や牧草として利用されてきたと考えられています。今では全国に広がり、雑草として定着した「帰化植物」となりました。
若芽や熟す前のサヤは、さっと茹でて天ぷらやおひたしにして食べることもできます。味は比較的淡泊ですが、春らしい青みのある香りが楽しめます。

カラスノエンドウを採るポイント
カラスノエンドウの採り方
カラスノエンドウの採取時期は、春先がベスト。3月〜4月頃の若芽や、まだ柔らかいサヤがおすすめです。

若芽の場合は、花が咲き始める前後が香りも柔らかくて一番美味しいタイミングなので、わたしはこの時期に採取するようにしています。穂先から5~10㎝くらいの長さで摘み取るのがおすすめですね。

採取するときの注意点
カラスノエンドウは空き地や道路の脇など、いろんな場所に生えていますが、採取する場合には注意点を守るようにしてくださいね。
- 採取しても問題ない場所か確認をしましょう
- 除草剤が使われている場所は避けましょう
- 車通りが多い、排気ガスが気になる場所は避けましょう
「カラスノエンドウとオイルサーディンのパスタ」の作り方
材料(2人分)
- カラスノエンドウ 1つかみ
- オイルサーディン缶 1缶
- パスタ 160g
- ニンニク 2片
- オリーブオイル 大さじ2~3
- 塩 大さじ2
ニンニクは2片となっていますが、我が家はニンニクたっぷりが好きなので、実際はもっとたくさんいれています。
ピリ辛が好きな方は、タカノツメを加えるとおいしいです。
また、今回のレシピではオイルサーディンを使っていますが、サバ缶、ツナ缶やイワシ缶などの魚缶だけではなく、ベーコンやシーフードなど、お好みのたんぱく質素材と合わせてみてください。
作り方
1.カラスノエンドウを洗う

カラスノエンドウを水洗いした後、ザルに空けて水けを切っておきます。
カラスノエンドウはアブラムシが付きやすいので、しっかりと洗うようにしましょう。
2.パスタをゆでる
大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かし、充分に煮立ったら、塩(大さじ 2)を入れ、パスタをゆでます。
パスタがゆであがったら、ざるにあげておきます。
パスタのゆで汁(おたま 1杯分)はあとでフライパンに加えるので、捨てずに残しておきます。
3.ニンニクを炒める

薄皮をむいたニンニク(2片)は薄切りにし、オリーブオイル(大さじ 2~3)を入れたフライパンできつね色になるまで弱火でじっくりと炒めます。
きつね色になったニンニクは小皿に移しておきます。
4.オイルサーディンを炒める

3のフライパンにオイルサーディンを加えて軽く炒め、2で残しておいたパスタのゆで汁(おたま 1杯分)を加えます。
5.パスタとカラスノエンドウを加える

4のフライパンに、ゆであがったパスタとカラスノエンドウを入れ、オイルがパスタ全体にいきわたり、カラスノエンドウがしんなりするまで炒めれば完成です。
味付けは基本的にパスタのゆで汁に含まれている塩のみですが、缶詰の種類やお好みによってもっと塩気がほしいとかあると思います。
味見をしてみて、もっと塩気がほしい場合は、塩もしくは醤油を足して調整してみてください。お好みで、コショウをかけてもおいしいですよ。
カラスノエンドウパスタのお味は?

カラスノエンドウを使ったパスタができました! ニンニクチップや粉チーズをかけてお召し上がりください。
シャキシャキとしたカラスノエンドウの食感が味わえるパスタです。カラスノエンドウ自体にはとくに強い味はないので、お子さんでも食べやすいかと思います。
カラスノエンドウの若芽は市販のスプラウトみたいで、癖もないので春先のおすすめの食材です。
我が家では5年以上にわたりカラスノエンドウのパスタをつくり続けているので、うちの子どもたちはカラスノエンドウを見ると「パスタにするとおいしい草だ!」と反応するまでになりました。
食用としてはあまり馴染みのない植物ですが、おいしいのでぜひチャレンジしてみてくださいね!
別記事「春を楽しもう!よもぎ&サバ缶の簡単パスタレシピ」では、ヨモギ版のパスタの紹介をしています。こちらもご覧いただけると嬉しいです。
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