「ホーチミンって、実際どうなんだろう?」
旅行を計画するとき、真っ先に気になるのが観光スポットですよね。
ホーチミンを旅したわたしの率直な感想は… 観光は正直パッとしない。
なのに、なぜか何度も行きたくなる。不思議とクセになる魅力があるんです。
今回は、ホーチミンに一人旅した主婦の視点で、“王道観光では味わえないホーチミンの楽しみ方”をご紹介します。
この記事のもくじ
ホーチミンの観光スポットは正直、1回で十分

旅行するときにまず気になるのって、旅行先に楽しい観光スポットがあるかどうかですよね?
結論から申し上げますと、ホーチミンの定番観光スポット巡りは正直、あまり面白くないと思います。
というのも、ホーチミンの王道の観光スポットであるノートルダム大聖堂、サイゴン中央郵便局、タンディン教会、ベンタイン市場は、効率よく回れば半日~1日もあれば見て回れてしまうからです。
しかも、写真映えスポットという感じで、じっくりと見るという内容でもない。
なので、ショッピングやマッサージ、グルメを楽しんだり、お友達と写真を撮りつつキャッキャするような旅でないならば、有名観光スポットだけだとなんだか物足りないと思います。
実際に、ネット上でも「ホーチミン つまらない」という意見があります。
わたし自身、ホーチミンに一人旅してきて、観光スポットには目的ではなく、ついでとして立ち寄ったりしたのですが、どこも10分以上はいなくてもいいかなという感じでした。
それでもホーチミンが好きな理由
なのに、わたしはベトナムのホーチミンが好きになってしまいリピートしていますし、また行きたいなと思っています。
その理由は
- 空港から中心地までアクセスしやすい
- 物価がまだまだ安い
- カオスで自由な街が面白い
- とにかくごはんがうまい
- 親切で明るい人がたくさん
- いつでも常夏
です。
詳しくお話していきますね。
空港から中心地までアクセスしやすい

ホーチミンのいいところは、なんといっても空港が街なかにあること。
観光スポットが集まっている中心地の1区までは、よほどの渋滞がなければタクシーで20~30分くらいで着きます。
わたしはタクシーに乗らずにバスを使いますが、待ち時間を含めても30~40分です。
ベトナム旅行を検討したとき、ハノイかホーチミンかで迷う人は結構いると思うのですが、中心地までのアクセスのしやすさは圧倒的にホーチミンが上。
交通費の安いベトナムですが、そうはいってもタクシーで距離を走ればそれなりにお値段がするので、交通費に関してはホーチミンがお得です。
とくに一人旅だとよほど旅慣れた人でないかぎり、簡単に目的地に行けるって大事なことだと思うんです。
その点、ホーチミンは空港からのアクセスの良さは抜群なので、ベトナム初心者にはピッタリです。
物価がまだまだ安い

円安、世界的インフレの波が押し寄せている昨今、海外旅行の金銭的ハードルが上がっていますよね。
欧米はもちろんのこと、以前はオトク感があった韓国、台湾、タイ、フィリピン、マレーシアといったアジア圏でさえ物価が上がり、ホテル代、飲食代にかかる費用がどんどん高くなっています。
そんな物価高で旅行を諦めてしまいそうになる中、金銭的に依然として日本人にやさしいのがベトナムなんです。
もちろん値上げの影響がないわけではないのですが、ほかの国と比べるとだいぶマシ。
庶民的なお店で3食食べれば、2025年現在でも一日1000~1500円くらいで済ませることも可能です。
物価が安いおかげで、ちょっといいホテル、ショッピング、グルメをまだ楽しめるのは嬉しいですよね。
また、観光施設の料金が安いのも嬉しいポイント。
主な観光スポットの2025年現在の価格は次のようになっています。
- ベトナム戦争証跡博物館 40,000ドン( 約240円 )
- ホーチミン市美術館 30,000ドン( 約180円 )
- サイゴンスカイデッキ 240,000ドン( 約1440円 )
サイゴンスカイデッキはやや高いものの、ほかの施設はかなり安いですよね。
観光スポットとして人気のノートルダム大聖堂、サイゴン中央郵便局、タンディン教会の見学は無料です。
そのほかにもあちこちに寺院や教会があるのですが、わたしが行ったところはどこも無料で見学ができました。

カオスで自由な街が面白い

好きか嫌いかは賛否両論分かれるところですが、ホーチミンはカオスな都市です。
日本では考えられないくらいの量のバイクが道路を走っています。クラクションもバンバン鳴りまくります。
そんなバイク天国のなか、横断歩道があまりないので、その辺を適当に渡るのがベトナム式。
バイクのほうに合図を送りながら一定のスピードで歩けば、勝手にバイクが避けてくれるのですが、慣れるまではこれがかなり緊張するのです。
でも、慣れてしまうとこれがとっても合理的に思えるから不思議。
いちいち信号のある所まで行かなくていいし、向こうが勝手に避けれくれるしで、便利です。
余談ですが、2024年に行ったときに感じたのが、ホーチミンも金銭的に豊かな人が増えているせいか、前回よりも自動車の量が増え、適当に渡るのがちょっと難しくなったなということ。
小回りが利くバイクは横断者を避けてくれますが、自動車は大きいので簡単には避けてくれない( はず )なので、命が惜しければ車には気を付けたほうがいいですね。
ほかにも、ローカル食堂では未だに食事で出るゴミは床に捨てるのが普通だったり、歩道がガタガタだったり、ゴミが散乱していたり、とにかく日本基準だとカオスです。
道端でバイクをベッド代わりに半裸で昼寝するおじさん
上半身裸、短パン、サンダルを履き、素手で工事をしている作業員 ( もちろんノーヘルメット )
昼間からカフェのお風呂椅子に腰かけてダラダラしゃべっているサラリーマン
とにかくフリーダム。
住宅を見回すと、ベランダガーデニングの競争でも行われているのか思うほどの場所もある。
まるでジャングルのように植物たちがベランダから溢れるように茂り、隣の家や道路に侵食しようとも気にしないったら気にしない。
隣にちょっとだけはみ出るだけでもご近所トラブルになりかねない日本とは大違い。
おおらかでいいなぁ、なんてわたしは思ってしまいます。

とにかくごはんがうまい

野菜、果物が豊富にとれるホーチミンは食べ歩きに楽しいところ。
わたしはホーチミンに行くたびに、チェーンレストランの「Nhà Hàng Hoàng Ty」で豚肉の生春巻きセットを頼んで、まるで牛か馬のようにハーブや野菜をたっぷり食べるのが楽しみです。
また、ベトナムの麺料理といえばフォー( phở )が有名ですが、実はホーチミンはフーティウ(Hủ Tiếu)がおいしい地域。
フーティウもフォーと同じくお米からできた麺なのですが、半乾燥させているところに違いがあり、フォーと比べるとコシがあるのが特徴です。
実際に食べ比べてみたところ、わたしはフーティウのほうが好み。
現地の人はフーティウを混ぜ麵スタイル( Hủ Tiếu khô )で食べるのが主流のようですが、わたしは日本的ラーメンのように汁ありスタイル( hủ tiếu nước )がお気に入りです。
邪道かもしれませんが、一緒に出された野菜類をたっぷりと汁に浸して、モリモリと食べます。
日本だと野菜は高いので、ホーチミンに来て野菜をたっぷり食べると、贅沢な気分になります。
ほかにも、
- ベトナムといえば外せないバインミー( Bánh Mì )
- ベトナム風お好み焼きと呼ばれるバンセオ( Bánh xèo )
- もちもち味沁みおこわのソイ( Xôi )
- つるりとしてちょっとうどんに似ているバインカン( Banh Canh )
- 甘辛に焼いた香ばしい豚肉のコムスン( Cơm Sườn )
- 日本で食べると高級品のソフトシェルクラブ( Cua Lột )
などなど、おいしい料理がいっぱい!
まだまだ全部食べ切れていないし、おいしかった店にはまた行きたくなってしまいます。
また、果物も市場やスーパーでお手ごろ価格で買えるので、マンゴーなどの贅沢オトナ食いも夢ではありません。


親切で明るい人がたくさん

わたしがホーチミンに行って感じたのは、ホーチミンの人って親切!ということ。
ベトナム語はもちろん話せず、英語力も中学生レベルの40代おばさんであるわたくし、ホーチミンに行くと必ず現地の人に助けてもらいました。
空港でバスを探しているときに声をかけてくれた日本語が話せるおじいさん
超ローカル食堂で注文の仕方がわからなくてマゴマゴしていたときに手伝ってくれた、英語堪能なお姉さん
チェーを食べに出かけようとしたとき、心配をして「一緒に行こうか?」と言ってくれた、同じホテルに泊まっていたやはり英語ができるお姉さん
バス停でバスを逃さないようにキョロキョロしながら待っていたら、「ここを見れば大丈夫だよ」とジェスチャーで教えてくれたお兄さん
挙げればきりがないほど、サポートしてもらってきました。
しかも、どの人もみんな、‟ 当たり前 ”という感じで声がけしてくれるので、知らない人はスルーという文化になりつつある日本と比べると、あたたかい感じがします。
また、ホーチミンの人は明るく、陽気な人が多い気がします。
朝散歩をしているとき、道路の反対側から「おはよう! 日本人かい?」とベトナム語で話しかけてくる陽気なおじさんがいたり。
地元のローカル食堂で持ち帰り用の食事をオーダーしたとき、目の前で調理する様子が見事なので動画を撮影させてもらったら、ニッコリしながらピースしてくれたり。
いつもニコニコしているわけではないけれど、思いがけないタイミングで屈託なく笑顔を向けてくれる人が多い感じです。

いつでも常夏

ホーチミンは常夏。日本と違って四季はなく、雨が多めの雨季と比較的少ない乾季しかありません。
だから、一年を通して、いつ行っても南国感を楽しめるのです。
10~11月にしか行ったことがないのですが、やや肌寒い日本を飛び立ち、ホーチミンのタンソンニャット空港に降りると、むわっと押し寄せる湿度と暑さはまさに南国。
この瞬間、「あ~、ベトナムに来た~」という解放感がたまりませんね。
以前泊まったホテルのオーナー曰く、「ハノイと違って、ホーチミンは雨が多いか少ないかしかなくて、いつでも暑いだけだから服装も楽」とのこと。
たしかに、季節に合わせて洋服をどうするかを悩まなくていいというのは、現地の人だけでなくて、旅行する者にとってもわかりやすくていいですよね。
まとめ:ホーチミンは王道観光スポットではなく、ローカルがおもしろい

ハッキリ言って、ガイドブックに載っているようなホーチミンの観光スポットは一度でも見れば十分なレベルです。
でも、そこから少し離れたローカルな地域や定番から外れた観光スポットには、何回でも行ってみたくなる魅力がいっぱいです。
だから、ホーチミンはおもしろい。
そんな魅力あふれるホーチミンですが、経済発展が目覚ましいので至るところで再開発が進み、古きよき雰囲気が急速に失われつつあるのが実に惜しいです。
そのような景色が見られなくなってしまう前に、王道の観光スポットだけではなく、それ以外の地域にも行ってみませんか?
きっと定番のスポットでは見られない景色に出会えること間違いなしです。
