
子どもが学校に行けなくなってしまうと、親としてはすごく悩みますよね。
わが家では、上の子が中学2年生の途中から学校に行き渋るようになり、3年生はほぼ登校できませんでした。
今回の記事では、そんな不登校児との生活のなかで感じた悩みと、その対策についてついてお話したいと思います。
この記事のもくじ
悩み① 生活リズムの乱れ
娘は、朝起きるのが苦手で、かつ睡眠が浅いせいもあって長時間の睡眠が必要な体質です。放っておけば、昼過ぎまで寝てしまうことも。
詳しい検査はしていないものの、病院で自律神経失調症の可能性が高いという仮診断を受けています。
学校に行かないとなると朝に起きる理由がないので、ズルズルと睡眠時間が延び、夜になっても眠くないので夜更かしをして、翌日はまた遅くに起きる…という悪循環に陥ってしまいました。
そんな昼夜逆転気味な生活を打開すべく、わが家がとったのは3つの対策です。
対策①:起きる時間を約束する
放っておけば、トイレにも行かず、眠り姫のように延々と寝続けることができるわが家の娘。
完全不登校になりたてのころは心と体の休息が必要だと思い、本人の気がすむまで寝かせていましたが、いつまでも続けるわけにはいきません。
生活リズムを整えようという段階になったとき、娘との約束したのはどれだけ遅くとも正午には起きるということ。
最初はこれも難しかったのですが、正午に起きるという訓練から始まり、少しずつ起床時間を早めるようにしました。

対策②:起きたら日を浴びる
睡眠トラブルの解消によく使われるのが、朝日を浴びるという行動です。
太陽の光を浴びると、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの分泌が止まり、脳が覚醒して眠気が覚めていきます。
そして、メラトニンの代わりに分泌されるのが幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンです。セロトニンの働きによって、交感神経が優位になり、元気に活動できるようになります。
人間の体は、太陽の光を浴びてから約15時間後にメラトニンの分泌がスタートし、眠くなるようになっているそうです。
ですから、本来であれば、早起きして日を浴びるのが理想なのですが、少しでも眠気を覚まし、起きている時間は活動できるように、起きたら自室の雨戸を開けて換気をするとともに、日光に少しでも当たるというのを習慣づけさせました。
対策③:起きる楽しみをつくる
起きるのが苦手な子にとって、起きるのはとてもつらく、しんどいこと。親が無理やり起こそうとしても、なかなかスムーズにいかず、お互いにイライラしてしまいます。
そんなイライラ葛藤の末にわたしがとった対策は、‟ 起きる楽しみをつくる”ということ。無理やりではなく、子どもがすすんで起きて来られるようにしようという作戦です。
わが家の楽しみはなにかというと、ベトナム・ホーチミン在住のYouTuberの配信を見るというもの。
当時わたしがハマってみていたのですが、なぜか娘も気に入ったようなので、起きてきたら2人で見るというのを約束したのです。
動画を見るというのが娘のモチベーションになったのか、頑張って起きてくるようになり、今では動画を見ながら過ごした時間も思い出。
このように、お子さんの起きるスイッチが入るような楽しいこと、たとえば、ゲームでもおやつでもなんでもいいので、試してみる価値はあるかもしれません。

ケンジさん、楽しい動画をありがとうございます!
悩み② 勉強の遅れ
わが家の場合は、中学校2年生から学校に行ったり、行かなかったりが始まり、3年生はほぼ行かなかったので、2年生の後半からの勉強に不安が出るようになりました。
さいわい、1年生までの成績は標準レベルにはあったので、2年生以降の学習をどうすればよいかを考えることに。
ですが、まず起きるということすら難しい子どもにとって、学習の時間を確保するのはかなり難しいですし、気力も体力も長時間持ちません。
対策:必要最低限だけ押さえる勉強
そこでわたしが採ったのは、必要最低限だけ押さえる勉強法です。
今は勉強についていけなくとも、「勉強が大嫌い!」にだけはならないようにしたいと思い、最低レベルだけをやることにしたのです。
自分の経験則から、中学レベルでつまづいては高校で取り返しがつかないと思ったのは、数学と英語。
そこで、数学と英語の2教科だけは時間をかけて勉強させ、あとは娘の負担にならないようにマンガを読むことでカバーする方法にしました。
英語が苦手な娘の勉強に使ったのは、このドリル。
スペルの暗記が苦手な子なのですが、ドリルを勉強していくうちに、文法を学ぶだけではなく、自然と書ける単語が増えていったのはすごいですね。
このような勉強法で高校進学後はどうなったかというと、通信制高校なのでもちろん普通の高校よりも学習レベルは低いという前提ではありますが、スムーズに高校の勉強に移行できています。
親としては、やっぱり難易度が高校でぐっと高くなる数学と、最低限の英文法を押さえておいたのはよかったと思っています。
また、数学と英語以外の教科の勉強に使ったマンガについて、別記事『【中学生の勉強嫌い対策】マンガで学べる参考書『COMIC×STUDY』を徹底レビュー!』で紹介しています。
悩み③ 学校への対応
不登校の子どもを抱える家庭での悩みの一つは、‟欠席連絡”ではないでしょうか?
うちの子が通う学校は、さいわいにも電話連絡ではなく、オンライン連絡だったので気持ちは楽でしたが、それでも毎日連絡するのは煩わしく、忙しくしているとうっかり連絡をし忘れてしまったりなんていうことも…。
しかし、それよりもわが家にとって悩ましかったのが、担任の先生からの電話でした。
担任の先生は非常によい方で、娘を学校に行かせようとしてくれているのはありがたかったのですが、そのお気持ちが娘には負担になっていました。
休むたびに電話をかけてくださり、「今日の様子はどうですか?」と聞いてくださるのですが、とくに変化のない生活を送っているため、「とくに変わりは…」と答えるわたしも心苦しい。
しかも、先生もお忙しいなか電話をかけてくださっているので、いつ電話がかかってくるかわからず、夕方から午後8時過ぎくらいまでは電話を気にしながら過ごさなくてはいけないというのが親子ともどもストレスでした。
対策:電話は週1にしてもらう
先生からの電話がかかってくるたびに娘が憂鬱そうにしているので、娘と話し合った末、先生からの電話を週1回にしていただくようにお願いすることにしました。
もちろん、先生からの電話で悩んでいますとは言えないので、
「先生もお忙しいと思いますし、何かあればこちらからも電話いたします」
という感じでやんわりと、お願いしました。
その結果、先生からの電話に娘が怯えることもなくなり、わたしも毎日電話に身構えている必要もなくなったので、だいぶ楽になりました。

もっと早くすればよかったと思っていること
今になって振り返り、「もっと早くすればよかった!」と思っていることがあります。それが何かというと、‟給食をとめる”ことです。
「もしかしたら学校に行くかもしれない」という思いから、学校に行かなくなってもズルズルと給食費を支払い続け、結局とめる手続きをとったのは3年生の最後数か月のみ。
食べもしない給食に毎月5000円も払い続けたなんて、なんてモッタイナイ…。そのお金を使って、娘と二人でおいしいものを食べたり、遊びに出かけたりもできたのに、本当にもったいなことをしました。
娘の場合は、学校から給食をとめるかどうか聞かれたことは一度もなかったので、親として自発的に動くしかなかったのですが、この件に関しては完全にしくじったなと思っています。
給食をとめるとなると大事のようですが、先生への電話一本ですむ話でしたし、そこまでむずかしく考えずにさっさととめればよかったんですよね。
まとめ
子どもが不登校だと親としては、たくさん悩みますよね。わたしもたくさん悩み、1つずつ問題と向き合いながら、歩んできました。
子育ては楽ではありませんし、悩みも尽きないですが、あなたは一人ではありません。
ご家庭ごとに悩みは違うとは思いますが、不登校児の子育てを経験した親として何か役に立てることがあればと考え、この記事を書きました。
少しでも悩みの解決の手助けになれば嬉しいです。