
子どものころの社会科見学って、楽しかった記憶がありませんか?
消防署、パン工場、ビール工場、国会議事堂…。
いろいろな職場を訪ねて、働く人たちの様子を見たりインタビューしたりする中で、「世の中にはこんな仕事があるんだ!」と驚いた経験は、大人になっても心に残っています。
でも、オトナになると、あんなふうに“他人の仕事現場”を見学できる機会って、まずありませんよね。
そんな中、大人の知的(?)好奇心を満たしてくれるシリーズ本があるんです。
この記事のもくじ
三五館シンシャ「日記シリーズ」って何?
出版社・三五館シンシャが手がける「○○日記シリーズ」は、実際にその職業に就いている(またはいた)人たちが、自身のリアルな仕事の様子を綴った“ 日記 ”形式のドキュメンタリー。
日常の業務、理不尽なトラブル、ちょっと嬉しい出来事、同僚とのやりとり…
とにかく赤裸々で、生々しくて、リアルなんです。
子どものときの社会科見学で見せてもらったような、仕事の“ いい面 ”ばかりではなく、“ 裏側 ”も赤裸々に覗けてしまうのがポイントで、まさに‟ オトナのための社会科見学本 ”なのです。
その職業ならではの苦労や理不尽なこと、ささやかな喜びが生き生きと綴られていて、実におもしろい。
ときには「え、こんなことまで書いちゃっていいの?」と心配になるくらいのネタがあったりして、ついつい本を読む手が止まりません。
異例のヒット!シリーズは23作を突破(2025年9月現在)
出版不況が続く中、じわじわと話題になり続け、2025年現在で23作品が刊行されています。(しかも続々と新刊が追加中!)
そのなかでもわたしが特におすすめしたい作品を、簡単な感想とともにご紹介します。
交通誘導員ヨレヨレ日記
街なかでよく見かける“ あの人たち ”の仕事の実態。夏の炎天下、理不尽なクレーム、暇と緊張感のバランス…。
「こんな世界だったのか!」と驚きの連続です。
ディズニーキャストざわざわ日記
業界の裏側に突っ込んでいるのが特徴の「日記シリーズ」ですが、「ここまで書いて大丈夫なの?」と心配になるほどだったのがこの『ディズニーキャストざわざわ日記』。
舞浜駅からディズニーに向かうスタッフたちの疲れ切った表情も理解できる、ハッピーなだけじゃない‟ 夢の国 ”の舞台裏がよく描かれています。
コンビニオーナーぎりぎり日記
24時間365日営業の過酷さ、悲喜こもごもが見事に描かれた一冊。
わたしのようなポンコツおばさんはコンビニでパートしようだなんて努々思ってはいけない、というのがよくわかりました。
消費者金融ずるずる日記
‟ サラ金 ”のプロが綴る、お金の怖さを再認識できる一冊。
最後は「あ~、やっぱりそうなったか」という展開と、そこから得られる人生訓にほろりとさせられます。
他にも気になるタイトルがたくさん!
ここまで紹介したもの以外にも、「日記シリーズ」には個性的な職業の日常がたっぷり描かれています。
中にはちょっと地味だったり、クセが強かったりもしますが、「こんな仕事の裏側、ちょっと知ってみたいかも…」と思えるものがあれば、読んで損なしです。
地味だけどクセになる!“縁の下の仕事”系
普段あまり注目されない職業ですが、日々の小さなトラブルや人間関係の中に、ドラマがあります。

サービス・接客・営業職のリアル
理不尽な客、上司とのやりとり、笑える事件簿…共感とゾッとする瞬間が交互にやってきます。

介護・福祉・支援の現場を知りたい人に
「大変だろうな」と思っていたけど、実際にどんな毎日を送っているのかを、等身大の視点で知ることができます。

一見“ 勝ち組 ”っぽい仕事の意外な裏側
世間の憧れのキラキラして見える職業ほど、実は心身ボロボロ!? 読めば、表のイメージがひっくり返ります。

まとめ:オトナの社会科見学、どれから行ってみる?
日記シリーズは、どの本も1冊完結でサクッと読めるのに、どこか深くて、リアル。
知らない世界をちょっとだけ覗き見るワクワクと、笑いや驚き、時には胸に刺さるような一言まであって、まさに“ 大人の社会科見学 ”です。
とくに気になる職業がある人はもちろん、「自分には縁がないな」と思っていた仕事にも、思わぬ発見があるかもしれません。
気軽な読み物としても、人生の視野を広げる一冊としてもおすすめなので、ぜひ気になったタイトルから読んで、いろんな“ 仕事 ”の世界を見学してみてくださいね。
