
有名な観光地を巡る旅、楽しんでいますか?
旅先で「なんだか想像通りだったな」と感じたことがあるなら、あなたの旅スタイルを少しだけ変えてみるチャンスかもしれません。
今回ご紹介するのは、「あえて観光地に行かない」ちょっと変わった一人旅の楽しみ方。
地図もスマホも手放して、ただウロウロするだけ。でもそれが、驚くほど豊かな旅になるんです。
この記事のもくじ
「ハズレ」はないけれど…ガイドブック通りの旅に感じる物足りなさ
旅行といえば、観光スポットや名物レストラン、お土産屋さんを巡るのが定番。
でも、わたしはいつも思うのです。
「ガイドブックに載っている場所って、ハズレは少ないけれど、なんだかおもしろみに欠ける」と。
実際に足を運んでみても、
「ああ、写真と同じだな」
「ガイドブック通りだな」
と確認する作業のように感じてしまい、期待を上回ることがなかなかありません。
なんでだろう?と不思議に思って調べてみると、人間は“意外性”が大きいほど、脳が楽しさや喜びを感じるという「ギャップ効果」という心理的特性があるのだそうです。
つまり、予想できる体験よりも、予想外の出来事のほうがワクワクする——。
それが、旅の「おもしろさ」の正体なのかもしれません。

わたしが見つけた「おもしろい旅」のスタイル
そうしたことに気づいてから、わたしは有名な観光地をあえて避けるようになりました。
代わりに好んでやっているのが、「ホテル周辺をウロウロする旅」です。
まるでドラクエの主人公が、城を拠点に見知らぬ世界を冒険するように、ホテルを出発点に、地図もスマホも使わず、ただ気の向くままに歩いてみるんです。
えっ、それって楽しいの?と思われるかもしれませんが、見知らぬ街を歩くのは、思いのほか楽しい体験です。
通りすがりの人々の服装、建物の色、ベランダに干された洗濯物、聞こえてくる言葉や匂い——五感すべてが刺激されて、まるで異世界に入り込んだような感覚になります。
異国の「日常」を覗く楽しさ
わたしが特に惹かれるのは、その土地の“生活文化”です。
観光地よりも、そこに暮らす人々の「ふつうの暮らし」を覗くほうが、ずっとおもしろい。
たとえばベトナム・ホーチミンでは、街を歩くだけで、鮮やかな色彩に心を奪われます。
日本では白・黒・グレー・紺が主流の服装も、ホーチミンでは赤や黄色、緑といったカラフルな色が街を彩ります。
ローカルな市場をのぞくのも大好きです。
観光客向けではない、生活に根ざした市場には、野菜や果物、魚や肉が所狭しと並び、人々の暮らしがぎゅっと詰まっています。
買い物をしなくても、歩いて眺めるだけで十分楽しいし、「この町にはこういう暮らしがあるんだ」と実感することで、旅が一気に豊かになる気がします。

マネキン。
クセが強すぎて、
どこから突っ込んでいいか
わからない。

「効率」より「自分の足」で見つける楽しさを
もちろん、観光スポットを効率よく回る旅も素敵です。
でも、わたしにとっては「自分の足で稼ぐ」旅のほうが、ずっとおもしろい。
どこに行くでもなく、スマホに頼らず歩くことで、思いがけない出会いや発見があって、それが旅の思い出として深く心に残るのです。
次の旅では、ぜひ一度「ホテル周辺をただ歩く」ことを試してみてください。
地味に思えるかもしれませんが、それはきっと、あなたにとって新しい旅の扉になるはずです。