
普通の高校に通うのはちょっと不安、でもどこか別の学校はないかな?
通信制高校なら自分のペースで勉強できるって聞いたけれど、実際どんな学校なんだろう?
この記事を読んでいるあなたは、もしかしたらそんな悩みを抱えている生徒さんやそのご家族かもしれませんね。
わたしは現在、子どもを通信制高校に通わせている保護者の一人です。
高校進学にあたり、いろいろな学校を調べてはみたものの、実際に通信制高校に通わせている方の体験談や情報はほとんど見つからず、非常に悩んだことを覚えています。
そんな経験をもとに、少しでもお役に立てればと思い、通信制高校についての基本的なシステムや、そのメリット・デメリットを実際の体験を交えてお伝えしたいと思います。
この記事のもくじ
高校は、全日制、定時制、通信制の3種類がある
高校には、全日制、定時制、通信制の3種類があります。
それぞれにシステムが違うので、詳しく解説していきますね。
全日制
いわゆる一般的にイメージする高校が全日制高校です。
週5日、毎日朝から夕方まで学校に通い、みんなで揃って授業を受けます。
毎年の進級条件を満たすことで進級し、3年間で卒業します。
学年制という制度をとっており、欠席が多く出席日数が足りない場合や成績不振で単位がとれない教科があった場合には留年となることがあります。
定時制
「午前のみ」、「午後のみ」、「夜間のみ」などの指定された時間帯に学校に通い、みんなで揃って授業を受けます。
ほとんどの学校では週5日・3時間授業ですが、学校によっては曜日指定などの場合もあります。
基本は4年間での卒業を目指しますが、授業を多く受ければ3年間で卒業できる高校もあるので、全日制と同じように3年間で卒業したい場合にはあらかじめ確認しておきましょう。
学年制という制度をとっており、欠席が多く出席日数が足りない場合や成績不振で単位がとれない教科があった場合には留年となることがあります。

通信制
全日制や定時制とは違い、単位制なのが通信制高校の大きな特徴です。
単位制では、自分でその年に取得したい科目を決め、レポートを提出し、単位認定試験に合格することで単位が取得できます。
万が一、選択した教科・科目の単位がとれなかった場合でも、その科目を卒業までに履修すればよいため、学年や進級には影響がなく、基本的に留年はしません。
ただし、出席日数が足りないなどの場合は留年もありえます。
通信制高校は自宅学習が基本ですが、スクーリングと呼ばれる対面授業も受けなくてはいけません。
自宅学習の仕方やスクーリングにも学校によって特徴があるので、自分の求めるタイプの学校を探すことが大切です。

通信制高校の基本的な仕組み
通信制高校で単位を取得するために大事になるのが、レポート、スクーリング、単位認定試験の3つです。
レポート
日ごろの勉強は、このレポートを中心に自分で進めていきます。
レポートという名前になっていますが、自習プリントのことです。
教科書を見れば解けるようなレベルの問題がほとんどのなので、あまり心配しなくても大丈夫でしょう。
レポートを解きおわったら学校に提出し、採点してもらいます。
提出方法は郵送または直接が多いですが、学校によってはオンラインでの提出ができることもあります。
レポートには提出期限があるので、期限に間に合うように勉強のペースを考えていかなくてはいけません。

スクーリング
スクーリングとは、体育など学校に行かないと単位が取得できない科目の授業を、実際に登校して行うことです。
ふだん家で一人で勉強している場合には、スクーリングはほかの生徒と交流する貴重な機会となります。
スクーリングのスタイルは学校によってさまざまです。
- 週に数日登校する
- 月に数日登校する
- 夏休みや冬休みに合宿する
学校によってスクーリングの方法は大きく異なるので、自分の好みに合う学校を選ぶことが大切です。
また、夏休みや冬休みに合宿をするようなスクーリング方式では、多額の費用もかかるケースがあるので、あらかじめ金額の目安を調べておくと安心です。

単位認定試験
単位認定試験は、単位を取得するための試験です。
原則として、レポートやスクーリングなどの条件を満たしたうえで受験することができます。
実際に学校に行って試験を受けるのが一般的ですが、オンラインで試験を受けられるというスタイルの学校も増えてきています。
通信制高校を卒業するための条件
通信制高校の卒業要件は、次のとおりです。
- 学校に3年以上在籍する
- 74単位以上を修得する
- 30単位時間以上の特別活動を行う
単位制だからといって1年間で74単位をとってしまえば卒業!というわけにはいかず、最低3年間は学校に在籍する必要があります。
また、特別活動とは、体育祭や文化祭、校外学習などの行事のことです。
30時間というと多そうですが、3年間でとればいいので、1年あたりでは10時間となります。
通学が難しい子でも、そこまで負担にはなることはないでしょう。
通信制高校を卒業すると、全日制や定時制高校と同じ高校卒業資格を取得することができます。
通信制高校のメリット・デメリット
通信制高校には、次のようなメリット・デメリットがあります。
- 自分のペースで勉強ができる
- 学校に通うのが難しくても、高校卒業資格を得られる
- 人との関わり合いが少ない
- 事情を抱えた生徒へのサポートが手厚い
- 自分で計画的に勉強しなくてはいけない
- 人との関わり合いが少ない
通信制高校のメリットとデメリットは表裏一体の関係にあります。
通信制高校に魅力を感じつつも、自分で勉強を進められるか心配な人は、学校の先生や家族に相談し、力を借りながら取り組むのがおすすめです。

まとめ
通信制高校は、自由な時間を活用できる反面、自分でしっかりと管理しないといけない部分もあります。
それでも、子どものペースに合わせた学びかたができるのは、大きな魅力だと感じています。
最初は不安だったわたしも、実際に通わせてみて、子どもが自分らしく成長していく姿を見守れる喜びを感じています。
この記事が、少しでも皆さんのお役に立てたなら嬉しいです。
進路を決めるのは大きな決断ですが、どんな選択をしても、お子さんにとって最適な道を一緒に見つけていけたらいいですね。