
プラスチック、テラコッタ、陶器とさまざまな種類のプランターを使ってきましたが、ここ3年にわたり、わたしが愛用しているのは不織布でできたプランターバッグです。
見た目や使い勝手がシンプルで、とくにベランダやバルコニーで手軽に使えるところが気に入っています。
不織布プランターは、実は見た目や値段だけじゃなく、植物の育成にもメリットがたくさんあるって知っていましたか?もちろん、良い点ばかりではなく、ちょっと気になる点もありますが…。
この記事では、そんな不織布プランターの魅力と、ちょっと気になる点についてお話ししていきます。
不織布プランターが気になっている方や、すでに使っている方にも役立つ情報があると思うので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
不織布プランターって何?
不織布プランターとは、不織布(織り目のない布)からできているプランターです。布鉢、栽培袋、不織布ポットなどと呼ばれることもあります。
不織布とはどんな生地かというと、使い捨てマスクをイメージしてもらえるとわかりやすいです。
「え、マスクの生地で植物を育てられるの?」と思うかもしれませんが、その点は心配ご無用です。プランターで使われる不織布は、使い捨てマスクとは違いもっと分厚いのが特徴で、フェルトのような雰囲気があります。
不織布プランターのメリット
不織布プランターを3年間使ってみてわたしが感じた、不織布プランターのメリットは、
- 軽い
- 通気性・排水性がよい
- 持ち運びしやすい
- オシャレに見える
- 折りたたんで保管できる
- 処分しやすい
- 土が漏れにくい
です。
1つずつ、詳しくお話していきますね。
メリット① 軽い
不織布プランターは、プランター類のなかでは圧倒的に軽いのが特徴です。
野菜を育てようとなるとそこそこの大きさのプランターが必要になるのですが、これが陶器やテラコッタのプランターですとかなりの重さになります。
見た目はそれほどの大きさでもないのに、土を入れてから持ち上げようとすると「なんでこんなに重いの!?」なんてことはよくある話です。
それと比較すると、不織布プランター自体はとても軽いので、土を入れても陶器やテラコッタのプランターと比べると、重さがだいぶ違うのです。

メリット② 通気性・排水性がよい
植物を育てるにあたっては、通気性・排水性は重要なポイントです。通気性・排水性が悪いと、植物の育ちが悪くなってしまうのです。
その点、不織布プランターは陶器やプラスチックのプランターと比べると通気性・排水性がよいため、植物の根が呼吸しやすいので根腐れがしづらく、しっかりと育ちやすいのです。
実際、同じ野菜をプラスチックプランターと不織布プランターに植えて、同じように水やりをしているつもりでも、不思議なことに不織布プランターのほうが元気があります。
また、不織布プランター自体が通気性・排水性が高いため、ほかのプランターを使うときには必須の鉢底石は不要です。鉢底石を使わなくていいので、プランターの重さが軽くてすむのは嬉しいですね。

メリット③ 持ち運びしやすい
ちょっとしたスペースを使ってプランター栽培をするとき大切になるのが、プランターの持ち運びのしやすさです。一度設置したら二度と運べないというのでは不便すぎますもんね。
この点においても、不織布プランターは優秀です。ほかのプランターと比べても重さが軽いので、持ち運びラクラクです。
この不織布プランターの持ち運びしやすさを左右するのは、プランターの「とって」の有無です。とってがあるか無いかでは、持ち運びのしやすさがまったく変わってきてしまいます。
わたしはイチゴを育てるのに100均の不織布ケースをプランター代わりに使っているのですが、とってがないので地味に持ちづらさを感じています。小さいサイズだから何とかなっていますが、大きいサイズだったらとても運べないことでしょう。
不織布プランターのほとんどの商品にはとってがついていますが、念のため確認をしてから購入するのがおすすめです。

メリット④ オシャレに見える
本格的農家を目指すのではなく、庭先やベランダで楽しむなら、オシャレで気分が上がるほうが嬉しいですよね?
不織布プランターに植えると、なぜかオシャレに見えるのが嬉しいところ。プラスチックプランターでは、同じように植えているのにこうはならないんですよね。
わたしが庭先で不織布プランターで育てている野菜のお世話をしていたら、散歩している方に「そのプランター、素敵ですね。どこで買ったのか教えてもらえますか?」なんて、声をかけられたこともありましたね。
また、不織布プランターはいろんなメーカーから販売されているのですが、どのメーカーもテイストにそこまで大きな差はないので、違うメーカーのものを組み合わせて使っても違和感がないのもありがたいです。

メリット⑤ 折りたたんで保管できる
不織布でできたプランターは使っていないときにかさばらないのがポイントです。
ほかの素材ですと、植物を植えていないときでも庭やベランダの一角を占めてしまうのですが、不織布プランターは折りたたんで保管できるので場所をとりません。
狭い場所をやりくりしてプランター栽培を行う場合には、とってもありがたいですよね。

メリット⑥ 処分しやすい
使わなくなったプランターが家の隅に置きっぱなし。こんな光景、よくありますよね?
なぜこういうことが起こるかというと、プランターは捨てるのが面倒くさいからです。
陶器やテラコッタ、金属でできたプランターは、不燃ごみの日もしくは粗大ごみの日のような限られた日にしか捨てられないですし、ゴミ捨て場に運ぶのも苦労します。
ですから、ついつい億劫になって、プランターが庭のオブジェに…という光景が生まれてしまうんですよね。
これに対して、不織布プランターは捨てるのが圧倒的に簡単なんです。というのも、土さえ処分してしまえば燃えるゴミ袋に入れて捨てられるからです。
燃えるごみの日は頻繁にありますし、ほかのプランターと比べ重さもないので、捨てるのがラクラクです。
捨てる手間までを考えてから購入しないと、家がいつの間にかごみ屋敷化しかねないので、処分しやすいというのはわたし的にはアドバンテージが高いです。

メリット⑦ 土が漏れにくい
ベランダでプランター栽培をしていると気になるのが、水やりをするたびにプランターから漏れてくる土。気がつけばベランダが泥だらけ、っていうのは何だか気になりますよね。
不織布プランターはそんなベランダでのプランター栽培にもぴったりなんです。というのも、ほかのプランターに比べると鉢から漏れてくる土の量が少ないからです。
もちろん、まったくゼロというわけではなく、漏れてくる水は薄っすらとした茶色ではあるんですが、それでもほかのプランターとは段違いです。
ベランダの汚れだけではなく、排水管のつまりやお隣への影響を考えると、土漏れが少ない不織布プランターは屋外はもちろんのこと、ベランダでのプランター栽培にもピッタリといえますね。

不織布プランターのデメリット
魅力いっぱいの不織布プランターですが、残念ながら気になる点もあります。
それは、
- 臭いがする
- 支柱が安定しない
- 汚れが目立つ
- 耐久性が低い
です。こちらもそれぞれ詳しくお話します。
デメリット① 臭いがする
わたしがどうしても見過ごせないのは、使用前の不織布プランターからする化学的な臭い。
わたし自身はどちらかというと化学物質の臭いに敏感なほうなので、人によってはまったく気にならないのかもしれません。
また、これまで幾つかのメーカーのものを使ってきましたが、メーカーによっても若干臭いの強度が違うように感じます。
製造過程で使われている化学薬品の臭いが原因だと思われますが、このままでは野菜などの植物を植える気にはなりません。
そんなわたしがとっている対策は、使用する前に水洗いをすること。水を何度も替えながらしっかりと洗えば、ほとんど気にならないくらいまで臭いはなくなります。
また、買ってからすぐに使わないで、しばらく放置しておくと臭いが減るような気がします。
もし購入した不織布プランターの臭いが気になったら試してみてくださいね。

デメリット② 支柱が安定しない
不織布プランターはやわらかい素材でできているため、動かしたりすると簡単に土が動いてしまうのが欠点です。
ですから、大型の夏野菜を育てるときに必要な支柱を立てても、なかなか安定せず、どこかグラグラとした感じになってしまいます。
わたしの場合は野菜の苗に少しでも長く日に当てるために頻繁にプランターを移動しているので、支柱を立ててもグラグラしてしまいます。
最初は支柱をどうにかしようと試行錯誤していたのですが、ここ最近は、支柱を立てないという邪道な栽培スタイルに変更してやり過ごしています。

デメリット③ 汚れが目立つ
ほかの素材のプランターと比較すると、不織布プランターの汚れは目立つかもしれません。
深緑色の苔のようなものや土汚れがプランターの表面につくのは避けられない運命です。
キレイ好きな方であれば、小まめにブラシなどで汚れをとってあげればよいかと思いますが、わたし自身は気にせずに放っておいています。

デメリット④ 耐久性が低い
よく不織布プランターのデメリットとして挙げられるのが、耐久性の弱さです。
確かに陶器やテラコッタ、金属のプランターと比べてしまうと、耐久性は劣るかもしれません。
もちろん、日当たり、温度、風雪などの気象条件にもよるのだとは思いますが、、実際に使っている身としては、そこまで耐久性の弱さは気になっていないのが正直なところ。
ほとんどの不織布プランターは、3年間余裕で使い続けています。
プラスチックプランターも強い日差しにさらし続ければそれほど耐久性はないですし、結局は使い方次第なのかなという気がしています。

不織布プランターのサイズの選び方
不織布プランターにはさまざまなサイズがありますが、ネットで購入できる商品の多くはガロンという単位のものが多く、どれを選べばいいのかわかりにくいのが難点です。
1ガロンってどれくらい?
日本ではあまり馴染みのないガロンという単位ですが、液体の体積を表す単位として欧米では一般的に使われています。
さらにややこしいことに、同じガロンという単位でも、アメリカとイギリスでは容量が違うんです!
- 1ガロン(アメリカ)≒3.785リットル
- 1ガロン(イギリス)≒4.546リットル
ガロン表示のプランターの容量を計算したい場合は、上記の数字にガロン数をかければリットルに換算することができます。
たとえば5ガロンの場合は、
アメリカ:3.785×5≒18.925リットル
イギリス:4.546×5≒22.73リットル
となります。
参考までに、わたしの手元にある不織布プランターで大きさとガロン数から計算したところによると、
1ガロン≒4.121リットル
と、アメリカ式でもないイギリス式でもない微妙な数字になってしまいました!
なので不織布プランター界においては、1ガロン≒4リットルくらいにざっくり考えておけばいいかもしれません。これなら計算しやすいですよね。
野菜別・プランターのサイズ選び
野菜ごとの目安になるプランターのサイズは、このような感じです。
トマト、ミニトマト、なす、キュウリ、ゴーヤ、ピーマン、ししとう、オクラ、インゲン、そらまめ、えんどう、じゃがいも、キャベツ、白菜、ブロッコリー、カリフラワー、大根、にんじん、さつまいも
かぶ、小松菜、水菜、ルッコラ、ちんげんさい、ほうれんそう、レタス、春菊、玉ねぎ、ねぎ、いちご、えだまめ、しそ、バジル、パクチー
ディッシュ、ベビーリーフ類(リーフレタス、小松菜、水菜、からし菜、ちんげんさい、ルッコラ、ビーツ、スイスチャードなど)、三つ葉、パセリ
高さ(深さ)と直径から自分が育てたい野菜にピッタリなものを選びましょう!
わたしが実際に使っているプランター
といいながら、実はわたしはイチゴ以外は小さな不織布プランターを使っておらず、5ガロン、7ガロン、10ガロンを使っています。どれも高さ(深さ)は30㎝あります。
大きめのサイズを使うことで複数種類の野菜を同時に植える混植も楽しめますし、サイズをあれこれ用意する無駄もなく、便利に楽しんでいます。
5ガロン、7ガロン、10ガロンを使ってみての個人的な感想ですが、使い勝手としては7ガロンが使いやすく感じています。
というのは、10ガロンサイズは土をたっぷりいれると重さがかなりあり、簡単には動かせないからです。こちらはほぼ定位置に置きっぱなしになっています。
一方の5ガロンは混植するにはちょっとサイズが小さいかなという印象です。
実際の大きさはこんな感じです。

この写真は10ガロンサイズです。スマホと比べると、なかなかに大きいです。それが畳むとこうなります。

かなりコンパクトですよね?
ちなみに、商品はこんな感じで配送されてきます。(この写真は7ガロンサイズです)

7ガロンの実際の様子はこんな感じです。

野菜が植わっているので見づらくて申し訳ないのですが、10ガロンサイズと比べると一回りコンパクトなのが伝わるかと思います。
5ガロン、7ガロン、10ガロンの3サイズを試してみて、わたしの体力でも無理なく動かせて、かつ野菜の混植ができるのは7ガロンという結論に至ったので、7ガロンサイズをリピート買いしています。
また、わたしが愛用している培養土はカネアの金の土なんですが、7ガロンサイズの不織布プランターには16リットルの土が2袋弱ほど必要です。
カネアの金の土については、別記事「プランター栽培に最適!リピーターのわたしが、カネアの金の土のおすすめポイントと気になる点を正直レビュー」で詳しく書いていますので、よろしければこちらもご覧くださいね。
まとめ
不織布プランターは、手軽にプランター栽培を楽しむにはとても便利なアイテムです。
ぜひ不織布プランターを使って、プランター栽培に挑戦をしてみませんか?野菜や花を育てると、生活にハリが生まれたり、季節を感じたりすることができて楽しいですよ!
別の記事「小さなスペースで大きな楽しみ!プランターを使った野菜栽培のススメ」ではプランター栽培の魅力について、
「プランターで野菜づくりを始めるために欠かせない道具たち」ではプランター栽培に必要な道具について、
「プランター栽培に最適!リピーターのわたしが、カネアの金の土のおすすめポイントと気になる点を正直レビュー」ではわたしが愛用している培養土について紹介しています。
この記事が、プランター栽培に悩んでいる方のお役に立てれば嬉しいです。