
「老後に2,000万円必要」と聞くと、なんだかモヤッとした気持ちになりませんか?
確かに不安はあるけれど、「本当にそんなに必要なの?」とちょっと引っかかる。
そこで、実際のデータを見てみると、どうやら“平均的な支出”の中には、自分には当てはまらない部分もちらほら。
わが家のライフスタイルと照らし合わせながら、「老後のお金、本当に必要な額ってどれくらい?」を、少し落ち着いて考えてみました。
老後に2,000万円のお金が必要なのは本当?
「老後2,000万円問題」のそもそもの出どころは、2019年に金融庁が提出した、金融審査会市場ワーキング・グループ報告書です。
この報告書には、高齢者夫婦無職世帯の平均的な家計収支が載っているのですが、
- 実収入 209,198円
- 実支出 263,718円
- 不足金額 54,520円/月
とのこと。
毎月54,520円が不足したとして、30年間で計算するとざっくり2,000万円が不足するというお話です。
ところで、この実収入は年金というのはわかりますが、実支出263,718円というのが気になりませんか?
というわけで、具体的な支出の内訳も見てみることにします。

引用:金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)議事次第
わたしの感覚からすると、2人暮らしで食費が64,444円って高い気がするんですが、どうでしょう?
わが家は食べ盛りの子どもを2人抱えた4人家族ですが、食費はここまでかかっていません。
また、その他の消費支出の54,028円という謎の項目も気になります。
洋服代や日用品は別項目にしっかりとあるので、それ以外ということなのですが、それにしても金額が高い。
じっくりとグラフを眺めてみると、消費真っ盛りのはずのわが家よりもどの金額も多めに感じるのですが、世間一般はこんなものなのでしょうか?
“自分の幸せの値段”を考える
突如、「あなたの老後には2,000万必要です」と言われて心穏やかに過ごせる人は少ないかと思います。
でも、そもそも“自分が楽しく暮らすのにそれだけの金額が必要なのか”を考えないといけないのではないでしょうか。
わが家の場合、今のところ賃貸暮らしで、できる限り続けていくつもりですが、状況によっては持ち家になったりするかもしれないですし、将来的に不明なところもままあります。
でも、わたしが幸せに暮らしていくためには、たぶん食費は64,444円もいらないし、その他の消費支出に54,028円も払う必要はおそらくないでしょう。
わたしが幸せに感じるのは、たとえば
- コーヒーを飲みながら、本を読む
- キンキン冷えた第三のビールで晩酌(旬の枝豆があれば、なおサイコー!)
- 動画配信サービスで韓国ドラマを見る
- 旅行に出かけ、知らない街をブラブラと歩く
なんてこと。
旅行代は多少かさむものの、ある程度の年齢になったら旅行にも行けないことを考えると、そこまで心配はしなくていいはず…。
そもそも旅行といっても、ラグジュアリーホテルとか豪華客船とは縁遠い、節約バックパッカーです。
夫にしてみても、趣味はゲームと料理なので、ほとんどお金はかかりません。
こうやって考えると、今のライフスタイルを続けるかぎりは、わが家においては「老後2,000万円問題」にそこまで怯える必要はなさそうです。
もちろん、インフレを考慮しないといけないですし、事情は変わったりものなので、もちろん備えはするつもりですが、漠然としたイメージに踊らされて不安に駆られるのは違うのかなという気がします。
「老後2,000万円問題」は、謎の平均家計なるものを根拠に湧いて出てきた数字で、本当に考えなくてはいけないのはあくまでも自分。
まず大事なのは、自分が幸せに生きるにはどれくらいのお金が必要なのかを把握すること。
そして、その目標金額を貯められるように貯金や投資をする。
よそ様がどうであろうと、自分にとってお金が足りていればいいんですよね。
そういえば、最近読んだ『自分は自分、バカはバカ。』(著:ひろゆき)という本で、「なるほどね~」と思ったのが、
“日本という国が衰退していくのは避けられないけれど、国とは関係なしに自分は幸せでいられる”
という件。
国は必死に、少子化だの増税だの、老後資金の不足だのと叫んでいますが、それに引きずられて将来お先真っ暗みたいな気分で暮らすのはモッタイナイ。
周りの環境に左右されず、“自分で自分の機嫌をとりながら幸せでいる”っていうのがこれからは大切なスキルになるのかもしれないですね。
まとめ
老後に2,000万円必要——そう聞くだけで、なんとなく焦ったり不安になったりするものですが、その数字の裏には“平均”という名の、ちょっと他人ごとのような前提があったりします。
わたしたち一人ひとりの暮らし方や価値観は違うのだから、必要なお金の額も、それぞれで違って当然。
もちろん、将来に向けての備えは大切。でも「自分たちにとって、どんな暮らしが心地いいのか」を考えることの方が、もっと大事な気がしています。
今ある暮らしを大切にしながら、無理なく、でも着実に、未来に向けて備えていく。
そんなふうに、ちょっと肩の力を抜いて、自分たちのペースでお金や暮らしと向き合っていけたらいいですよね。
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