
「小さなスペースで大きな楽しみ!プランターを使った野菜栽培のススメ」という記事では、プランターでの野菜づくりの魅力についてご紹介しました。今回は、プランターでの野菜づくりを始めてみたい方のために、必要な道具や準備について詳しくご紹介します。
プランター栽培を始めるために欠かせないアイテムを揃えて、野菜づくりをさらに楽しいものにしましょう!
プランターでの野菜栽培に必要な道具とは
「小さなスペースで大きな楽しみ!プランターを使った野菜栽培のススメ」でもお話しましたが、容器を使った栽培方法をコンテナ栽培といい、プランター栽培はその一種にあたります。
わたしが実際に野菜づくりに使っているのはプランターではないので、厳密にいえばプランター栽培ではありません。
ですが、日本ではコンテナ栽培とプランター栽培ははっきりと使い分けされておらず、ほぼ同義になっているので、馴染みのあるプランター栽培という言葉を使いたいと思います。
さて、前置きはこのくらいにして、本題に入りたいと思います。
プランター栽培に必要な最低限の道具は、
- プランター
- 栽培用の土
- 肥料
- ジョウロ
- シャベル
です。
それぞれ詳しくお話していきますね。
プランター
プランターの素材による違い
ひとくちにプランターといっても素材はさまざまで、それぞれに特徴があります。
1.プラスチックプランター

- 長所: 軽量で移動が簡単、価格が安い
- 短所: 通気性が悪く、過湿になりやすい
2.陶器プランター

- 長所: 通気性が良く、美しいデザインで安定感がある
- 短所: 重くて割れやすく、価格が高い
3.テラコッタプランター

- 長所: 通気性が良く、自然な風合いでおしゃれ
- 短所: 重くて割れやすく、乾燥しやすい
4.木製プランター

- 長所: 通気性が良く、自然でおしゃれな見た目
- 短所: 水分に弱く、劣化しやすい
5.不織布プランター

- 長所: 軽量で通気性が良く、根の成長を促進
- 短所: 耐久性が低く、紫外線で劣化しやすい
6.金属製プランター

- 長所: 耐久性が高く、モダンなデザイン
- 短所: 通気性が悪く、錆びやすい
野菜づくりに向いているプランターとは?
野菜づくりに適したプランターを選ぶことは、成功するための大事なポイントです。
野菜の種類や栽培する環境によっても最適なプランターが変わりますが、以下の特徴をもつプランターが一般的におすすめです。
1. 深さがある
野菜の根は深く伸びることが多いので、プランターにも一定の深さが必要です。とくに、トマトやナス、ニンジンなどの根菜は深い土が必要です。最低でも30cm以上の深さがあるプランターを選ぶと良いでしょう。
2. 通気性がよい
土の中で根が呼吸できるように通気性がよいプランターが理想的です。通気性が悪いと根腐れを引き起こす可能性が高くなります。プラスチック製のプランターも一般的ですが、通気性が優れているのは「素焼きの鉢」や「木製のプランター」など、自然素材でできたものです。
3. 排水性が高い
水はけが悪いと土が湿りすぎて根腐れの原因になるので、排水穴がしっかり開いているプランターを選びましょう。また、底に鉢底石を敷いて水はけをさらに改善するのもおすすめです。
4. サイズに余裕がある
野菜が成長すると、根も広がり、葉も茂ります。広めのプランターにすることで、根が広がりやすくなり、健康な野菜が育ちます。小さすぎると根詰まりを起こしてしまうことがありますので、適度なサイズ感を選んでください。
5. 軽量で移動しやすい
プランターは設置場所や日照の具合によって移動が必要なこともあります。軽量なプランターを選ぶと、移動や日々の手入れがしやすくなります。
6. スタッキングできる
限られたスペースで栽培する場合、スタッキング可能なプランターを使うと便利です。垂直にスペースを活用できるので、バルコニーや小さな庭でも効率よく野菜を育てることができます。
おすすめのプランターの形
- 長方形プランター
狭い場所に適しており、レタスやハーブなどの葉物野菜を育てるのに向いています。 - 深型プランター
根菜(ニンジンやジャガイモなど)やトマトのような高さが必要な野菜にぴったりです。 - スタンド型プランター
腰を痛めずに作業ができ、ベランダや庭のスペースを効率的に使えるのが魅力です。
以上のポイントを参考に、自分の栽培したい野菜に合ったプランターを選んで、健康でおいしい野菜づくりに挑戦してみてください!
栽培用の土

野菜や花を育てるときには、土も重要です。野菜をプランターで栽培する際に使う土は、植物の健康や収穫量に大きく影響します。野菜に適した栽培用土を選ぶためのポイントをいくつか挙げます。
1. 排水性と通気性が良い土を選ぶ
野菜は根が酸素を必要とし、根腐れを防ぐためにも排水性がいい土が重要です。水分が長時間土の中に溜まると、根腐れを引き起こすことがあります。また、土がしっかりと通気性を保つことで、根が元気に育ちます。
選び方:
- 市販のプランター用培養土
多くのプランター用培養土には、適切な排水性と通気性をもつ配合がされています。パーライトやバーミキュライト(軽石)などが混ざっているものがオススメです。 - 自作の場合
軽くて通気性のいい素材(例:腐葉土、バーミキュライト、パーライト)を混ぜるとよいです。たとえば、腐葉土 60% + バーミキュライト 30% + パーライト 10% などの割合で混ぜるとよいでしょう。
2. 肥沃で栄養が豊富な土を選ぶ
野菜は栄養をしっかりと吸収するため、十分な養分が必要です。市販の培養土の多くは、あらかじめ肥料が混ぜられているものもありますが、栄養素が少ない土を使用する場合は、肥料を加えることが必要です。
選び方:
- 市販の野菜用培養土
野菜の栽培に適した栄養バランスが取れた土を選びましょう。たとえば、「野菜専用」と明記された培養土は、とくに栄養価が高く、野菜に適した土壌です。 - 自作の場合
腐葉土や堆肥を使用することで、土に栄養分を加えることができます。また、野菜の栽培にはとくに「完熟堆肥」を使うと良いです。初心者の場合、まずは市販の培養土を選んで、必要に応じて追加の肥料を施す方法がオススメです。
3. 軽くて使いやすい土を選ぶ
プランター栽培では、軽量の土を選ぶことで、プランターの持ち運びがしやすくなります。また、土が重すぎると、根の成長が妨げられたり、水はけが悪くなったりすることがあります。
選び方:
- 軽い土壌を選ぶと、根が深く広がりやすくなります。パーライトやバーミキュライトを加えることで、軽量かつ通気性の良い土になります。
4. 保水性がある土を選ぶ
保水性も重要です。水分が必要な時に適切に保持し、乾燥しすぎることなく、土の中の水分量を維持することが大切です。
選び方:
- ココピート(ココヤシ繊維)などは、保水性がありながら通気性も良いので、乾燥を防ぎます。水分を適度に保持できる特性があるため、とくに乾燥しやすい環境での栽培に向いています。
肥料

肥料は、植物が元気に育つために必要な栄養素を補うために使います。とくにプランター栽培では、土の栄養が限られているため、適切に肥料を与えることが大切です。
1. 肥料の基本的な役割
肥料は、植物に必要な栄養素を提供し、成長をサポートします。主要な成分は次の3つです。
- 窒素 (N): 葉や茎の成長を助ける
- リン酸 (P): 根や花、実の発育を助ける
- カリウム (K): 植物全体の健康を支え、病気に強くする
これらをバランスよく含む肥料が理想的です。
2. 肥料の種類
肥料には大きく分けて「有機肥料」と「化学肥料」の2種類があります。
1) 有機肥料
- 特徴: 天然素材から作られ、土壌改良にも効果的
- メリット: 土壌を豊かにし、微生物の活動を活発にする
- デメリット: 効果が緩やかで、即効性は少ない
- 例: 鶏糞、牛糞、堆肥
2) 化学肥料
- 特徴: 即効性があり、栄養が均等に含まれている
- メリット: 成長を早め、使いやすい
- デメリット: 長期使用で土壌が貧弱になる可能性がある
- 例: 顆粒肥料、液体肥料
3. 肥料の使い方
肥料の種類や植物の成長段階に応じて使い方が異なります。
1) 液体肥料
- 使用方法: 水に溶かして使い、プランターに与える。成長期に効果的で、手軽に使えます。
2) 顆粒肥料(固形肥料)
- 使用方法: 土に混ぜるか、土の表面に散布。長期間効くため、頻繁に肥料を与えなくて済みます。
3) 肥料のタイミング
- 成長期(春〜夏): 植物が活発に成長するので、液体肥料を週に1〜2回与えると良いです。
- 休眠期(秋〜冬): 肥料は控えめにし、植物の休息をサポートします。
4. 肥料の注意点
肥料を与えすぎると「肥料焼け」が起こり、植物の葉が黄色くなったり、根が傷むことがあります。パッケージに記載されている使用量を守り、適切なタイミングで与えることが大切です。
初心者の方は、市販の「プランター用肥料」や「野菜専用肥料」を使うと簡単に栽培できます。
ジョウロ

ジョウロは、プランターの数、大きさによって容量を決めるのがおすすめです。女性が手首や腕に負担なく使えるジョウロのサイズは、一般的に1.5~3ℓとされています。
しかし、あまりにも小さいサイズだと水場とプランターを行ったり来たりして大変になるので、自分に合ったサイズを選ぶようにしましょう。
また、サイズだけでなく素材も大切です。
プラスチックだと軽くて丈夫ですし、値段は手頃なものが多いです。ただし、プラスチックのジョウロは屋外に置きっぱなしにしておくと、紫外線で劣化してしまうのを忘れてはなりません。
金属製のものは紫外線に強く屋外での耐久性もあるのですが、プラスチックと比べるとジョウロ自体に重さがあるので、注意が必要です。水を入れたときに自分が持てる重さなのかも考慮しておくとよいでしょう。
さらに、ジョウロの注ぎ口に取り外し可能なノズル(散水口)がついているものがおすすめです。ノズルがあることで、野菜の苗を痛めることなく水やりをすることができます。
シャベル

プランター、栽培用の土、肥料、ジョウロと比べると、気を使う点はほぼないのでお好きなものをお使いください!ホームセンターはもちろん、100均でもシンプルなデザインのものが売っています。

まとめ
今回はプランター栽培に必要な道具について紹介しましたが、道具を整えたら、いよいよ実際に野菜づくりがスタートします。
「小さなスペースで大きな楽しみ!プランターを使った野菜栽培のススメ」という記事で紹介したように、プランター栽培の魅力は自宅で手軽に美味しい野菜を育てることができる点です。
わたしは庭やベランダでプランターを使った野菜づくりをするようになって、毎日の生活にハリが出るようになりました。
畑での家庭菜園とは違い、プランター栽培のいいところは道具少なくても始められるところ。ぜひ道具を揃えて、おうちでの野菜栽培にチャレンジしてみませんか?野菜が収穫できたときの楽しさは、格別ですよ!
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