
わたしは、一人旅が好きです。
旅行の予定がなくても地図を眺めます。
世界地図を見たり、Google Mapで知らない街を探したり、ガイドブックをぱらぱらめくったり。
次の旅行の予定があるわけではありません。
なんだったら、今年予定している旅行にすら、まだ行っていません。
それなのに、なぜか地図を開いてしまう。
「ここ、どんなところなんだろう」と気になったら、検索してみる。
写真を見たり、旅行記を読んだり。
気づけば、最初に調べていた場所とはまったく違う街を調べていることもあります。
そして、ときどき思うのです。
「自分、いったい何をしているんだろう?」
旅行の予定もないのに、せっせと旅の情報を集めて時間を溶かしている。
でも、これが楽しい。
この記事のもくじ
地図から「行ってみたい」が生まれる
わたしは、地図で世界を観察するのが好きです。
もはや趣味と言ってもいいくらいです。
Google Mapを開いて、知らない場所をあてもなく眺める。
地名を見つけて、「ここには何があるんだろう」と検索してみる。
Google Map上で延々とハイキングするのも日常茶飯事です。
実際に歩いているわけでもないのに、道をたどっていると、「この先には何があるんだろう」と気になってくる。
地図に映り込んだ塀の上の猫や道路で横たわっている犬を見て、ひとりでニヤニヤ。
旅行の予定があるわけでもないのに、こんなことをせっせとやっています。
知らない場所を知ることそのものが面白いし、そこから「いつか行ってみたい」が生まれることもあります。
ときには、宿泊サイトを物色して、たまたま見つけた宿がきっかけになることもあります。
「この宿に泊まってみたい」という気持ちからその宿がある街について調べ始める。
周辺には何があるんだろう。
どんな景色が見られるんだろう。
おいしいものはあるかな。
どうやって行くんだろう。
そうやって調べて、宿と地域がピタッと自分の好みに合ったときに旅行先が決まるということもあります。
最初から旅先があって、そこに宿を探すのではなく、調べている途中で「行ってみたい場所」ができる。
こういう旅の始まり方も、なかなか面白いものです。
たくさん調べるけれど、予定はほとんど決めない
そんなふうに旅行前……というより、旅行の予定がなくてもいろいろ調べているわたしですが、実際の旅行では、予定をびっしり決めるタイプではありません。
むしろ、予定はほとんど決めない派です。
「ここは面白そう」というスポットをいくつかピックアップしておく。
「この店には行ってみたい」と候補をつくっておく。
でも、必ずしも全部行くわけではありません。
むしろ、行かないお店や場所がほとんど。
せっかく調べたのだから、全部回ればいいのにと思われるかもしれません。
けれど、わたしにとって「調べること」と「実際に行くこと」は別なのです。
調べること自体が楽しいし、いろいろな情報を知っておけば、現地での選択肢も増える。
でも、行かなくてもいい。
行ける場所をいくつも用意しておいて、その日の自分が行きたいところを選ぶ。
それくらいのゆるさが、一人旅にはちょうどいいと思っています。
情報の海で、ときどきアップアップする
ただ、調べるのが好きだからこそ、困ることもあります。
気になる場所をひとつ見つけると、そこから次々に情報を掘り出してしまう。
「あそこも面白そう」
「この店にも行ってみたい」
「この宿も素敵」
調べれば調べるほど、世界中のあちこちに行ってみたい場所が増えていきます。
しかも、予定している旅行のために調べているわけではありません。
行く予定もない旅行のために、せっせと情報を集めているのです。
地図を眺めて、検索して、写真を見て、また別の場所を調べて……。
気づけば、頭とパソコンの中は「いつか行ってみたい場所リスト」でいっぱいになっています。
まさに、情報の海でアップアップしている状態。
そして、ふと我に返る。
「……で、自分は何がしたかったんだっけ?」
最初はただ「面白そう」と思って調べ始めただけなのに、いつの間にか情報そのものに飲み込まれている。
こんなことが、たまにあります。
情報を集めていると、最初に感じた「面白そう!」という気持ちが、どこかへ行ってしまうことがあるのです。
「あそこが人気らしい」
「せっかくなら、こっちも……」
そんな情報を追いかけているうちに、最初に自分が何に惹かれたのか、分からなくなってしまう。
そんなときは、いったん情報から離れます。
パソコンを閉じる。
ガイドブックを置く。
そして、最初に自分が何に惹かれたのかを思い出してみる。
「自分は何に興味を持ったんだろう」
「そもそも、どんな時間を過ごしたいんだろう」
すると、たくさんの情報の下に埋もれていた自分の気持ちが、少しずつ戻ってくることがあります。
情報を集めることは楽しい。
でも、集めれば集めるほどいいわけではない。
ときどき情報から少し離れて、自分の気持ちを確認する。
これも、旅を楽しむうえで大切なのかもしれません。
わたしにとって「旅行計画」は、予定を決めることではない
ここまで書いておいて、「旅行計画」という言葉が少し違うような気もしています。
だって、わたしは旅の予定をほとんど決めないのですから。
1つか2つだけは、絶対にやりたいこと、行きたいところをつくりますが、それ以外はそのとき次第。
だから、わたしにとって旅行計画とは、「予定を決めること」ではなく、「選択肢を増やしておくこと」なのかもしれません。
たくさん調べる。
たくさん想像する。
でも、どれを選ぶかは現地で決める。
その日の自分の気分や体調、天気、街を歩いたときのフィーリングに任せる。
調べているときは自由に想像して、旅先では自由に選ぶ。
それが、わたしの一人旅にはちょうどいい。
不思議なことに、思い出に残っているのは、予定どおりに行った場所や、計画していたことではなくて、思いがけない行動の先で出会ったものばかりだったりします。
予定していなかった道を歩いた。
たまたま見つけた店に入った。
なんとなく気になって、予定を変更した。
そういう「そのときの自分に任せたこと」のほうが、後になってよく覚えている。
たくさん調べて、たくさん想像して、でも最後はその日の自分に任せる。
それが、わたしの一人旅の楽しみ方です。
そして、わたしにとっては、実際に旅に出た日だけが「旅」ではありません。
予定もないのに地図を眺めている時間も、知らない街を調べている時間も、面白そうな宿を見つけてワクワクしている時間も。
全部ひっくるめて、旅なのだと思います。
一人旅は、旅行計画も旅のうち。
いや、わたしの場合は、計画する前の「どこへ行こうかな」と想像している時間から、もう旅は始まっているのかもしれません。
今日も情報の海を泳いで、まだ見ぬ土地を探しに行ってきます。

