
この間、用事があってショッピングモールへ出かけたときのこと。
何気なく歩いていたら、バレンタインチョコレートの催事場が目に留まりました。
「あぁ、もうそんな時期なんだ」と思いながら近づいてみたのですが、そこで少し足が止まりました。
というのも、店員さんは2人いるのに、お客さんが誰もいなかったんです。
平日の日中だからというのもあるかと思いますが、それにしてもずいぶん静かでした。
にぎやかなイメージのあるバレンタイン売り場があんなに落ち着いた空気なのは、ちょっと意外でした。
まず思い浮かんだのは、やっぱり「生活」のこと
その光景を見てまず思い浮かんだのが、今の生活の厳しさです。
実質賃金はなかなか増えない中、インフレ、物価高というのが今のわたし達の暮らしの現実ですよね。
スーパーに行けば、「また値上がりしてる…」と感じることも多いですし、日々の支出を考えると、季節のイベントにかけるお金を少し控えたくなる気持ちも正直あります。
そう考えると、イベント用のチョコレートを買う人が減っているのも不思議ではないのかもしれません。
楽しみたい気持ちはあっても、現実的な判断をする人が増えている、ということなんでしょうね。
そんなことを思うと、人気のない催事場が少し物悲しく見えました。
楽しみ方も暮らしに合わせて
ただ、あの静かな売り場を見ていて、寂しさだけを感じたかというと、そうでもありませんでした。
バレンタインというイベント自体を、わたし達が少し距離をとって見られるようになったのかな、というふうにも感じたんです。
思い返してみると、以前は
「職場だから配らないと」
「みんながやっているから」
「イベントだから一応」
そんな理由で動いていたことってありますよね。
でも今は、「無理してまでやらなくてもいいかな」と自然に思える。
これは、冷めたというよりも、落ち着いたという表現のほうが近い気がします。
ふと考えると、そもそもバレンタインというイベント自体も、メーカーや業界、世間によって作られたもの。
イベントを雰囲気に流されず、冷静に見られる人が増えているのは、案外いいことなのかもしれません。
もちろん、イベントを楽しむ人がいなくなったわけではないと思います。
誰かに気持ちを伝えたい人もいるし、チョコを選ぶ時間そのものが楽しい人もいる。
でも一方で、今の自分の生活や気分には合わないな、と思う人が増えているのも事実なんでしょう。
どちらが正しい、という話ではないですよね。
生活の余裕が減った部分もあるし、価値観が変わってきた部分もある。
たぶん、その両方が重なっているんだと思います。
変わっていく、イベントとの距離感
誰もいなかった平日のバレンタインチョコ売り場は、今の暮らしや気持ちを静かに映している場所のように感じました。
楽しみ方が変わったのか、余裕がなくなったのか。
きっと理由はひとつじゃないですよね。
ただ、自分の生活に合った選択ができるようになった。
そう考えると、あの静けさも悪いものではないのかもしれません。
ショッピングモールを後にしながら、イベントとの付き合い方も、年齢や時代とともに少しずつ変わっていくものなんだろうな、そんなことを考えていました。